伏せたまま、顔だけこちらに向けた先輩。


目があった瞬間、さっきの言葉が先輩に聞こえてしまっていたことを理解する。


「せせせせせ先輩…!!」


「…だから、それでどうしたいの?
………それとも、たまには俺の好きにさせてもらえるの?」


伸びてきた手が私の頬を優しく撫でる。


「………先輩の、好きにしてください」



その瞬間、私と先輩との距離は急速に縮まった。