もしかしなくても、これは私のためにわざわざ場所をとってくれてたってこと……?


にやにやとしたい気持ちを抑えて、先輩の隣の席へ腰を下ろす。

そして鞄から参考書を出すといそいそと勉強を始めた。




***




どのくらい経っただろうか?

顔を上げて目に入った時計を見れば勉強を始めてから2時間は裕に過ぎていて、自分がどれだけ集中していたのかが読みとれる。

辺りを見てみれば、さっきまで人で溢れていたはずなのに、もう私たち以外人がいなかった。


「先輩、もうそろそろ図書館閉まっちゃいます…よ?」


話しかけようと隣を向けば、机に伏している先輩がいた。