「何?まだ何かあるの?」

「あ、えっと……これ!ありがとうございました!」


持っていた紙袋を差し出す。
中身を確認した先輩は「あぁ」と納得するとその袋を脇に置いた。

「……弁当箱は?」

「…………」


その紙袋に入ってないから、そう思うのは当然で。
なんて言い訳しようかと思案していると先輩が口を開いた。


「持ってるなら持ってきて。……それとも、俺が使ってた弁当箱、返したくない?」

にやり。と笑う先輩に「急いで持ってきます!!」と教室へ走った。