「昨日のは、気付いてなさそうだったから、気付かないままでいた方がいいかなって思って言わなかっただけ。
それから、朝のことを言ってるんだったら、あれは偶然会ったクラスメイトで、五月蠅かったから放っておいただけ。分かった?」


ぽんぽん、とそのまま頭を撫でられる。

先輩の顔を見上げればどことなく微笑んでいるような、柔らかい顔をしていて、今の言葉が本当なんだなって理解した。


「……分かりました」

「じゃあ、昼飯食べようか」


いつもの場所へ向かう先輩。
その先には見慣れないお弁当箱が置いてある。

やっぱり先輩お弁当持ってきてた。

……その先輩の隣で先輩のお弁当箱を使って作ったお弁当を食べるって………

なかなか動こうとしない私を見た先輩は、こくりと首を傾げた。