「……っ、織部先輩!?」

「うるさい」


がたりと椅子を鳴らして立ち上がる。

それを一刀両断すると、先輩は私の腕をつかんで引きずり始めた。


そして私は引きずられながらも、繋がれていない方の手で慌てて紙袋を手に取った。


「……で、なんで朝から人のこと避けてるの?」


屋上まで連れてこられて、扉の前には先輩が立っている。

逃げ場がなくなった私は、どうやら白状するまでここから出れそうになかった。