なんでここに先輩が……。

ここは私の教室のはずで、先輩が来るはずなんてない。


ついに幻覚でも見てるのかな。
そんな風に思ってぼーっと目の前の先輩を眺めていたら、伸びてきた手が私の額の前へとやってきた。


「っ痛いっ!!」

つーんとした痛みにさっと額を手で押さえる。

……あれ、痛いってことは

「………現実?」


「…バカじゃないの?」


そのいつも通りの先輩の言葉に、私はこの先輩が本物の先輩なんだと認識した。