未だに高鳴る胸元にお弁当を抱いて校舎を出る。
少し歩いて明日までの課題を忘れたことに気付いた私は慌てて体を翻す。
そして、その瞬間視界の端っこに映った人影にどきりとまた心臓がはねた。
洗って明日返しますって言っておこう。
手に抱いたお弁当箱を見て、そのまま先輩の元へと駆け寄った。
「織部先輩!」
「…最近よく会うね」
花壇に水を蒔いているらしい先輩を見て、私も手伝おうと荷物を置く。
もちろん、お弁当箱は私の鞄の上に汚れないように慎重に置いた。
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