さっきまで座っていた場所に戻り、渡されたお弁当を開ける。
思っていた以上に余っていたおかずを見て、心の奥がきゅっと握りしめられたようだった。
「あ……お箸…」
パンだったために、もちろん私はお箸を持っていない。
職員室に行って、割り箸を貸してもらいに行くのもありなんだろうけど…。
目の前には、さっきまで先輩が使っていた、黒くてシンプルなお箸。
ごくり、と唾を飲み込む。
そして誘惑に負けた私は、その黒い箸へと手を伸ばしたのだった………。
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