私の声に反応して振り返った先輩は、私が持っているお弁当箱に気付いてるはずなのに、受け取ろうとしない。


「…あの………だから、これ……」


どうすればいいか分からず、持っていたお弁当箱を差し出すと何故か突き返された。


「食欲ないからあげるよ」


「残したら許さないから」と言い残して階段を降りていった先輩。

しばらく呆けていた私は、先輩の優しさに気付いた瞬間ぶわっと頬が赤くなるのを感じた。