»潤
「あの、織部先輩……」
「何?」
つん、と冷たい視線を向けてくる先輩は、いつも通りの通常運転。
「実は、聞きたいことあるんですけど……」
莉乃に頼まれた通り、塀を乗り越えた女の子について聞こうと口を開く。
が、やっぱり3年になっても織部先輩は織部先輩だった。
「それ、俺じゃなきゃダメ?」
いかにもめんどくさそうにする織部先輩を前に、つい口を噤んでしまう。
そんな俺を見た織部先輩は「暇じゃないから」と背を向けて歩いていってしまった。
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