「……まず、名前を覚えてもらうところからじゃないか?」
話しかけてこい、と言われるけれど、初対面での自分の行動が蘇ってきて、なかなか話しかける勇気が出ない。
あんな1年近くも前の昔の出来事なんてもう忘れてるかもしれない。
それでも、もし覚えていたらと思うと、嬉しい反面、なかなか足が進まないのだ。
「だから、お願い!先輩に、1年前ぐらいに会った、塀を乗り越えて来た女の子覚えてますか?って聞いて欲しいの!!」
そう言った瞬間、潤は目を見開いた。
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