一目惚れというのは、全く接点がない人にしてしまうと本当に関わりがないもので。


私はあの人の学年も、クラスも、名前すらも知らない。

知ってるのは、あの声と、顔と、文句を言いながらも落ちてきた私を受け止めてくれていたっていう優しさ。



とりあえずはと同じ学年をまわってみたことから、あの人が先輩であることが判明していた。


「感じからは3年生っぽいけど……でも3年生の教室に行く勇気はないし……」


受験間近である3年生の教室はピリピリしていて行くのに戸惑う。


そんなことを思っていた私の元へ、とある好機が訪れた。