「まぁいいや。……とりあえず、どっかのバカには分からせる必要があるみたいだから」
つーっと首筋を舌でなぞれば、ぴんっと張った体。
そのまま上まで上がれば、目の前の耳をかぷりと口に含んだ。
「ひゃいっ………っふ」
俺の胸元を掴みながら必死で耐えている。
これ以上聞かせるのはもったいないかな。
そう判断して口を離せば、潤んだ目で見上げる顔があった。
「何?」
「…………………ちゅーして欲しい、です」
いつもなら言わないようなことを訴えられる。
意図していなかったにしても、少しの間構わなかっただけでこうなるのか。
考えていれば、自然と口角が上がった。



