そんな話を聞いた翌日。
 

「織部の彼女のことなんだけどさ」


そう口を開いたサークルの先輩はいつもと違い真剣な眼差しをしている。


「今、2年の須藤に言い寄られてるっぽいぞ」

「は?」


何の冗談。と笑ってみるけれど、どうやら冗談なんかじゃないってのが伺えた。


「あいつ、趣味どうかしてんじゃないの」

「はっ!?おまえ何言ってんの!?
莉乃ちゃん大学上がってきてめちゃくちゃ可愛くなったじゃねぇか!
高校の時はまだ幼いなーって感じしてたけど、なんか最近その中に見える女っぽさっていうか?」


「…………人の彼女どんな目で見てるんですか」


呆れていれば「そんな冷たい目しないで!俺先輩っ!」だなんて必死にまとわりついてくる。

そんな先輩をいなしながら、ここにはいない自分の彼女について考えていた。