私の意地悪な旦那様



「あでっ!」

反射的におでこを押さえて先輩を見る。


痛みの原因の指は、そのまま私の頬へとするする落ちていった。



「バカじゃないの。何を今更」

「うっ……」


返す言葉もなく、口を噤む。


「足、引っ張るだけ引っ張ればいいんじゃない?引きずってってあげるから」


そう言ってニヤリと笑って見せた先輩は「これだからバカは困る」と感動して涙目の私の頬を何度もつついた。