こみ上げてきた涙に邪魔されて、何度かつっかえる。 それでもちゃんと伝わったらしく、お母さんは何度も頷きながら私をぎゅっと抱きしめてくれた。 *** 「莉乃、功希くんのこと、しっかり支えてあげるんだぞ」 「わっ、わかってるよ」 玄関までお見送りしてくれたお父さんは、私を見ながらそう言う。 この数時間でどれだけ先輩のこと気に入ったんだろう、だなんて一瞬考えてみるけれど、先輩だから。という一言で納得できてしまった。