「……待ってって言ったのに」


ぷくっと頬を膨らませて言えば、片手で頬を潰される。


そのままがしりと顔を掴まれたと思えば、無理矢理功希の方を向かされた。



「俺より他人のこと信じる莉乃が悪い」

「…………」



誰だって、あんな光景見て、あんな言葉聞けば不安になっちゃうよ。


「はっ!ハカにしてふっへほーゆーほほ!?」


「ふっ」


掴まれたまま喋ったら、案の定上手く喋ることができない。

そんな私を見て笑った功希は、しょうがないなぁと手を離してくれた。