「俺に嘘ついてバレないと思ってるの?」


「…………」



目をそらして下を向く。

そして、上から吐き出された深いため息を聞けばじんわりと視界がぼやけ始めた。



「言わないと分かんない」


「………だって、功希は私に会社に来て欲しくないんでしょ?会社の人には私のこと全然話さないみたいだし」


「誰から聞いたの、それ」



否定しないんだ。

そう思えば、こらえきれなかった涙がポタリと乾いたアスファルトへと吸い込まれていった。