「おー、おかえりー。どうだった?例の件」 「あー……まぁ、織部くんのおかげでなんとかなりそうかも………って、誰か来てるの?」 三上さんと話したあと、ひょいと部屋を覗いて来たのは綺麗な女の人。 あれ、この顔どこかで………。 「こちら、織部の奥様」 「は、はじめまして」 「はじめまして」 一瞬目を見開いたかと思えば、肩を竦めた女の人。 「……なるほど、だから織部くん誰にも奥さんのこと教えなかったんだ」 ぽつり、と呟いた言葉は私の元へと届いた。