「あの…ほんとにこれ渡したかっただけなので…。渡しておいて貰えれば良いのですが…」 「いやいや!ここまで来たんだから是非お茶でも」 そう言って連れられてきたのは、少し騒がしいオフィス。 いくつかの机が綺麗に並べられていて、そこでは数人がわいわいと話を繰り広げていた。 「おい、織部の奥様がいらっしゃったんだから少しはしゃんとしろ」 その一言で騒がしかったオフィス内がしーんと静まった。