「ねぇ莉乃。もしかして、その指輪……」 「あ、うん。結婚しました」 左手をひらりと振る。 その瞬間、辺りはさらに騒がしくなった。 「莉乃が1番に結婚するとかびっくりだわ!」 「だって、あの頃の莉乃、先輩先輩って追いかけてたもんねー」 過去の功希への猛アタックを指摘され、つい顔が赤く染まる。 過去の自分はなんて恥ずかしいことを…… 熱の集まった顔を冷やすため、近場にあった飲み物をこくりと口に含んだ。