先輩の言葉をきっかけにぺらぺらと普段絶対口に出さないような惚気を言いまくる。
あまりの饒舌さに先輩は驚いて目を丸くし、周りは織部さんのその姿に驚きながらも、その内容に口角をあげていた。
それにしても、長い。
普段口にしないとこんなにも溜まるものなのかと思うほど、たくさんの莉乃の話が次から次へと飛び出してくる。
莉乃のことをよく知ってる俺からしてみれば、この状況はかなり気まずいわけで。
机の下で携帯のメール画面を開くと、莉乃へと織部さん救済メールを送った。
少ししても続く話に終わりが見えなくてどっと疲れてくる。
先輩はもう寝てしまっていて、織部さんの話を聞いているのは一部の好奇心旺盛な奴らだけ。
早く来てくれないかとちらちら時計を見ていれば「ごめんください」と聞き慣れた声が店の中へとかけられた。



