だいたい、なんで織部さんがいきなりこんなに酔ってんだよ。

不思議に思って織部さんのグラスの匂いを嗅げば、もわっと香ってくる濃いアルコールの香り。


さては先輩、強い酒を飲ませたな。

それで先輩自身もあんなに酔っているのかと、一人密かに納得していた。



「なーなー、その『莉乃』の写メとかねーの?」


「気軽に呼び捨てにしないでくれる?」


「え、ねーの?それか、本当に不細工だから見せらんないの?」



俺を挟んで繰り広げられる酔っ払いの言い合いに体を縮こませる。


だんだんとヒートアップしてきた言い合いに気付いた人たちは、普段あまり喋らない織部さんの饒舌を一目見ようと俺たちを囲むかのように近寄ってきた。