「あれ、もしかしてそれ、結婚指輪?」
グラスを持った手にキラリと光るそれを見つけて、さらに先輩のテンションは上がる。
「織部が結婚とか考えられねー!誰?美人か?それともかわいい系なのか!?」
一人で盛り上がっている先輩を無視した織部さんはグラスに注がれた酒をゆっくりと飲み干していた。
………先輩の被害がこっちに来ないうちに逃げようかな。
そう思って席を移動しようとすれば「どこ行くつもり?」と鋭い目つきで脅してくる織部さん。
びしびしと感じる「こいつを置いて逃げるな」オーラに俺は大人しくその席へと座り直した。



