»潤
先日届いた『高校バスケ部同窓会のお知らせ』と書かれたハガキを片手に路地を歩く。
書かれている店の名前と、暖簾に書かれた名前を確認してドアを引けば、懐かしい顔ぶれの中に珍しい人が嫌そうな顔をしながら囲まれていた。
「おー潤じゃん!変わってねーなぁー」
もう既に始まっていたらしく、店内はほんのりと酒の匂いと熱気が漂う。
かくいう目の前で俺を迎えてくれた先輩も、既に出来上がってしまっていた。
「お久しぶりです」
「おう!あ、そうだ………聞いて驚くなよ?今日はなんと織部が初めて!初めて出席したんだ!」
手をひらひらと織部さんの方へ向けてアピールしている先輩。
アピールされている織部さんは、心底嫌そうな顔をしていた。
………まぁ、俺が織部さんでもさすがに嫌だな。
心の中で頷きつつも、酔っぱらってる先輩を放置し、挨拶すべく織部さんの方へと近寄っていった。