「莉乃」 呼ばれて振り向けば、突然されるキス。 目をつぶるのも忘れてそのまま固まっていれば、顔を離した功希は私の顔を見るなり笑った。 「幸せになれたでしょ?」 自信ありげににやりと笑う功希に、同じく笑って頷く。 ゴンドラが下に着くまで後半周。 私たちは隣に座ったまま、お互いそっぽを向くように窓の外を眺める。 けれども間に置いてある手はぎゅっと握られたままだった。