「ひぇぇぇぇぇっ!!!」


いきなり飛び出してきた般若のようなそれに、私は先輩の腕を掴んだまま全速力で出口へと駆け出す。

「おつかれさまでしたー」という声と同時に外へと飛び出すと、肩で息をしながら足を止めた。




「はぁ、怖かった……!」

ちらりと後ろを見て、もう追ってきていないことを確認する。


後ろに誰もいないことに心底安心していたら、隣で先輩はいきなり笑い出した。