「……舐められた?」
「でも、だから功希が来てくれたか…っ!」
話途中でいきなり肩に頭を乗せられ、当たる髪の毛のくすぐったさについ反応する。
そのまま私を抱き寄せたと思えば首筋にちくりと痛みが走った。
「ちょ、功希!?」
私の言葉を無視して、至る所に吸いついていく。
解放された時には、私の首もとは赤い華がたくさん散っていた。
「マーキング。どっかの誰かはこれだけじゃ足りないみたいだから」
そう言って、私の指にはまった指輪をさする。
普段、滅多に痕なんてつけないのに。
そんな功希が見るのも恥ずかしいぐらい私に『マーキング』をしたんだと思うと、幸せな気持ちが体中に充満した。