「で、これだけ盛大な嘘をついたんだし、覚悟は出来てるよね?」


「…え」


にやり。と笑う功希から逃げ切れるはずもなく。

……たぶん私はこの夜のことを一生忘れないであろう。
そして、もう二度と調子のってこんな嘘はつかないって決めたのだった。




でも、ちょっと嬉しかったのは、ゴミ箱にビリビリに破り捨てられた離婚届を見つけたこと。

嘘をつくのはもうこりごりだけど、なんだか幸せだなぁ、なんて思ったりもしてしまった。