「なんで逃げるのかなぁ?……いつも俺と会ってくれてたよね?」
すたすたと私を捜しながら語りかけてくる。
けれども私には全くその記憶がなく、両手で肩を掴むと自分の体を抱きしめるように縮こまった。
「早く出てこないと、流石に怒っちゃうよ?」
「俺たち、下着まで知ってる仲じゃないか」
「ほんと恥ずかしがり屋なんだから」
意味の分からないことを連呼し続ける。
やっぱり、私の下着は無くしたとかじゃなくて………。
ぐっと噛みしめた唇からかすかに鉄の味がする。
そして、足音がしなくなったかと思えば、暗闇の中に光りが差し込んできた。



