「………風邪ひいてて…ぶっ倒れたんだよ」 「……え?」 「風邪?」と聞き返せば誤魔化すように功希は頭をかいた。 「じゃ、じゃあなんで私のこと避けてたの!?」 「……結構辛かったから、移したらと思って」 「…なんで女の人と肩くんで歩いてたの?」 「……倒れて、病院まで運んで貰ってた」 「帰ってこなかったのは病院にいたから……?」 こくり、と頷いた功希を見て、今まで入っていた余分な力が抜けたかのように私はぺたりと床に座り込んだ。