言われるがままに体を洗って、置いてあった服に着替える。
そのままドライヤーで髪をかわかしていれば、こんこんとノックの音が響いた。
「ここ、開けてもいい?」
「はっ、はい!」
扉を開けて入ってきたのは、私に謝ってきた女の人。
ドライヤーを止めると、私はその人の方へと顔を向けた。
***
「あら、じゃあ莉乃ちゃんの一目惚れから始まったの?」
「はい。ずっと私の片思いで……なので、さっきは疑っちゃってごめんなさい」
「私も紛らわしいようなことしちゃったんだから、おあいこね」
ふふふ、と笑う詩織さんにつられて、私も自然に笑顔になっていた。



