「……何泣いてるの」 上からかけられる声に顔が上げられないまま黙りこむ。 そんな私の態度に、先輩は「はぁ」とため息をついた。 「……ため息をつくぐらいなら、もう放っておいてください」 「……は?」 「先輩の気持ちはもう十分分かりましたから」 「失礼します」と先輩の体を避けて出口へと進む。 けれどもそれは掴まれた腕によって叶わなかった。