「お、京ちゃん!久しぶりじゃねー!元気??」
結局、おばさんに電話で有希お姉ちゃんのケータイ番号を聞き、それで今、こうして話ができている。
ただ、家の電話だとばれるとのことなので、九がケータイを貸してくれた。
小学生でケータイを持つのは、東京では当たり前なのだろうか。
東京という場所が外国のように思えてならない。
「で、どうしたん?」
久々の有希お姉ちゃんの声。でもないか。
春休みも一週間くらい来てたし。
俺は、事の次第をを他の人には内緒ということで正直に説明した。
時々、うんうんと相槌を打ちながら、有希お姉ちゃんは楽しそうに聞いてくれた。
「そっかー、なるほどねー」
「うん。せめて電車とかフェリーとかのお金だけでいいけん、どうにかならんかね?」
「確かに、それくらいならバイト代で何とかなると思うけど・・・」
少しの間を開けて、有希お姉ちゃんは続けた。
「京ちゃんは、どう思うん?」



