「もう遅いし、俺、帰るわ」 そう言って、家に入ろうとしたら、 「知りたくないわけ?あの日、何が起きたか」 その言葉で、ドアにかけた手が止まる。 俺は、九の方へ向き直った。 「土手降りない?ほら、佐和子と京介くんが初めて話した時みたいに」