「もう小学4年生なんだから、自分で出来ることは自分でしなさい」 そう言っていた母さんが、こうして着替えまで準備しているということは、よっぽど急ぎの用事なのだろう。 そもそも、俺にも関係のある用事なのだろうか。 袖に腕を通しながら、どこへ何をしに行くか聞いてみた。 すると、母さんは、また一言、 「人に会いに行くんよ」 と言った。