押したのだ。 九が。 「これでいい?」 初めからそうするんだった。 「はーい」 家の中から声が聞こえた。 おそらく、琴吹のお母さんだろう。 「あら、いらっしゃい。理子よね?」 俺たち三人は頷く。 「ちょっと待ってね。理子ー!お友達ー!」 二階から「はーい」と言う琴吹の声が聞こえた。