「あーあ、もう少しで40回行けたのに・・・」 九は、座り込み、残念そうな顔をした。 「お母さん・・・居ったん?」 俺は、そのことが気になって仕方がなかった。 「うん。いたよ。死んじゃったけどね」 九は、夕焼けに染まる空を見ながら言った。 知らなかった。 お母さんが亡くなっていたことなんて。 九が転校してきてほとんど毎日こうして会って話しているけど、九の家のことは聞いたことがないかった。