僕が帰ると、 彩花はベンチに座っていた。 僕を見つけると、 というか、オレンジジュースを見つけると 目を輝かせ 僕が近づいてくるのを待っていた。 「オレンジジュースだ!」 彩花は時々、子供みたいに見える。 オレンジジュースをひとつとると、 横でもくもくとそれを 飲み始めた。 「最後に観覧車乗ろっか」 僕は光始めた観覧車を 指差した。 彩花はこくり、とうなずいた。