シキの頭をぽんぽん叩きながら、 「いいよ。どーせ何でいなかったんだ、怒られるし」 「……だれ、に?」 思い浮かぶのはいつも怒ってばかりの俺の幼馴染。 あ、でもシキは夕雨のこと知らないか。俺は適当に説明しようと、もう一度シキに視線を戻して。 「夕雨っていう───」 俺がそういった瞬間。 シキの瞳が動揺で揺れた。 それは、まるで夕雨のことを知っている、かのような反応で。 「シキ?」 撫でていた手が止まる。 ゆっくりゆっくり力なく自分の手が彼女から離れていく。