「───あ、あったぞ」
遠くから飯田の声。
覗き込もうとしていた山崎は、覗き込もうとしていた顔を引っ込ませて向こうへ歩いていくのが見えた。
「おーおーさっさと持ってこうぜ」
「白ペンキあとチョイで無くなりそうだけど」
「いいんちょーに言わないとな」
「買い出しはスイに押し付けようぜ、アイツサボり魔だから」
「スイはいいんちょーには逆らえないからなぁ、くくく」
失敬な。
そんなことをしゃべりながら、2人が教室のドアを開けて出ていくのを見届ける。
廊下に響き渡る足音が、遠のくのを確認してほっと肩を撫でおろした。
それから振り返ると、シキもほっとしたように胸に手を当てて小さく息を吐いているのが見えた。シキも顔を上げる。



