シキの顔が、思った以上に近くて。
シキと視線がばっちり合ってしまった。
驚くほどに冷たい指先が動くたび、鼓動だけが先走りしているみたいで。
(……冷たい、のに。……ああくそ、顔、熱い)
自分のことなのに、コントロールが効かなくなりそうで、馬鹿みたいにバクバク言っていて、きっとシキにだって気づかれてしまう。
先に視線を外したのは、シキ。
慌てて俺から視線を外して、いつもの困った顔で目を何度もぱちはち瞬きさせてそれからゆっくり視線を戻して。
「……あり、がとう」
儚げな瞳がをすうっと細めて、薄桃色の唇を綻ばせる。
不器用でぎこちない、お礼の言葉。



