「どうかした?」

「なんでもないよ」

「……お前、ここ最近ずうっとぼーっとしてないか?なんていうか、前からそうだったけどさ」

「気のせいじゃない、凪は心配しすぎ」

「……でも、」


なぜか、あまり触れられたくない、と思った。

それがどうしてなのかわからないけれど、そう思ってしまった。


俺は何も言わないで黙り込んでいると、凪は諦めたように小さくため息をつくと、


「でもさ、〝いる〟って話だぜこれ最近仕入れた話なんだけどさ」

「〝いる〟?」


何が、と口を開こうとする俺を制して───



「この学校で自殺した幽霊」



───そう、言った。