あと、11分





俺はそう思いながら顔を少しずつ逸らして、

「……くしゅっ」

「ふ、は……っ」


我慢の限界だった。

思わず吹き出して、笑いが止まらなくなってしまう。

何だろう、シキが隣にいるととても安心する。いつだってぎこちなく生きていたのがウソみたいに。



シキは困ったのと怒ったのを半々に分けたような不思議な、面白い表情で俺の濡れた白いシャツの袖を引っ張って、


「わ、笑わないで」

「寒いなら寒いっていえばいいのに」

「……別に、寒くなんて、ないもの」

「よく言う」


表情をあまり変えないシキが、恥ずかしそうに白い肌を薄い赤色に染めながら顔を伏せる。なんか、くすぐったい。

背中あたりをずっと誰かにこしょぐられてる感じ。でもそんなに嫌な感じではなかった。