何回、何十回シキが一人で泣くことになっても、それでも待ち続けるっていった彼女は、……きっと、俺の言うことなんて、聞いてくれない。
だから、今はぐっとその言葉を飲み込んだ。
つばまで一緒に飲み込んだから、苦くてじめじめした不快な気分になってしまった。
それを無理やり払うように俺はシキに思いついた話題を振ってみる。
「つーか、シキは何年?」
「……1年、だよ」
1年?
さすがに9か月も高校一年生をやってるんだから、同じクラスじゃなくても見かけることくらい、あると思ったんだけど。
あんまり教室を出るほうじゃないから、シキのことを見たことないだけ?5組って結構端っこだし、1組とか2組の生徒なら見かけなくてもおかしくないかも。
「何組の、」
「くしゅっ」
シキが小さくくしゃみをした。
それから寒そうにうう、と小さくうめく彼女が子猫みたいで、笑いがこみあげてくる。



