シキは小さく笑うと、しなやかな黒髪がはらりと肩から零れ落ちる。
弱くて、か弱そうで、脆くて、今にも壊れそうで───それでも、シキは笑う。
俺じゃない、誰かのことを思いながら誰かに寄り添うこともできないで。
「───待つことしか、できないから……。
たとえ、この先何回、何十回繰り返されることになっても、わたしは、信じてる。
きっと、彼が、逢いに来てくれる、って」
弱いと思っていた彼女は、自分の思っている以上に、強くて凛としている人なのだと、その時思った。
けれど、心の中にあるもやもやとした感情は曇った空模様のように晴れることはなかった。
シキに、言ってしまったら。
そんな奴待つ必要ないって、言ってしまったら。
そんな奴のこと信じることないって、言ってしまったら。



