あと、11分


薄暗い窓から見える、透明の滴を2人でぼうっと見上げて、俺は何気なく、


「シキ」

「……どう、したの?」




「シキは───あそこで、何してた?」





シキの瞳が見開かれる。

乾いていたはずの瞳から、零れ落ちそうになる涙が、見ているだけで抉られそうなほど、痛くて。

でも顔を逸らしちゃいけないと思った。

シキは、しばらく黙ったままだった。


雨のぽたぽたと聞こえる音だけが、教室に響き渡った。








「……待っていた、の」



やがて、シキが隣にいる俺にも聞き取れないほどの小さな、声でそう呟く。