ここでなにしてんの?
確かそのセリフは、数十分前に、非常階段で彼女に話しかけたときのものだった。
雨も降っているのに、校舎にも入らずにひとりでに泣いていた彼女。
「…………何してるのか、って」
「ああ」
俺ははっきりと、返事をした。
「雨が降ってるのに、って」
「……ああ」
「知らない、の」
「……え?」
声が、震えていた。
何かを言いかけたけれど、結局、シキはその言葉すら飲み込んでしまう。
それだけ聞くと、しばらく押し黙ってシキはすべてを理解したかのようにはは、と小さく小さく今にも泣きそうな声で笑った。



