「…………後悔、する」
絞り出すような声が、ドアの向こう側からした。
とん、と音がする。きっと、彼女も俺と同じようにドアに手を添わせたのだと、直感でそう思った。
「きっと、……後悔、する」
「……」
「きっと、…………傷つける」
「……そんなの、分かんないだろ。未来は、誰にも分からないんだから」
ドアの向こうで、掠れた笑い声が響いてくる。
それは、俺の言うことを馬鹿にしているというよりも、ありもしない空想を信じて、疲れてしまったみたいな乾いた笑い声だった。
「……分かるよ。だって、もうそれは……決まっていること、だから」
「だから……!そんなの、まだ分かんないだろ」
「きみは何か勘違いして、る。わたしはきみと一度も逢ったことないし、話したこともない───赤の、他人」
「じゃあ、じゃあっ」



