あと、11分







「…………後悔、する」


絞り出すような声が、ドアの向こう側からした。

とん、と音がする。きっと、彼女も俺と同じようにドアに手を添わせたのだと、直感でそう思った。


「きっと、……後悔、する」


「……」


「きっと、…………傷つける」


「……そんなの、分かんないだろ。未来は、誰にも分からないんだから」


ドアの向こうで、掠れた笑い声が響いてくる。

それは、俺の言うことを馬鹿にしているというよりも、ありもしない空想を信じて、疲れてしまったみたいな乾いた笑い声だった。


「……分かるよ。だって、もうそれは……決まっていること、だから」


「だから……!そんなの、まだ分かんないだろ」


「きみは何か勘違いして、る。わたしはきみと一度も逢ったことないし、話したこともない───赤の、他人」


「じゃあ、じゃあっ」