「いきなり、知らない奴にこんなことを言われるのは、怖いかもしれない……と、思うからそれは、……ごめん」
知らない奴───そんなことを口にするとき、一瞬だけ心が締め付けられるような痛みが襲ってきた。
何でだろう。
何で、俺だって、知らないのに。
彼女がシキかどうかも、俺がどうして彼女の名前を知っているのかも───知らないのに。なのに、どうして、こんなに必死になるんだろう。
どうして、彼女に逢いたいって思ってしまうんだろう。
「俺は、スイって言うんだ。それから、……あ、……れ。はは、ごめんそんなこと、知りたくないか」
お願いだから、少しでもいいから、ほんの一瞬でもいいから、逢って話がしたい。
ごめん、これもわがままだ。
いきなり、知らない奴に話しかけられてそれなのに、話せってほうがおかしいって分かってる、ちゃんと分かってる。



